弊事務所所長はビジネススクールで簿記講師をしており、簿記検定の採点委員も担当していますが、当該ページは多数検定試験を採点し、受験生の問題点を分析した上で、簿記講義の内容を簡単にまとめたものです。

講義内容は、主に簿記学習初心者の方からを対象に行っているものであり、最終目的は日商簿記検定試験3級、2級の合格を目指しています。カリキュラムは3カ月の講義期間で完結するよう計画されています。

講義の進行は基本テキストの記載順序に進めており、ワークブックはその都度消化していくよう指導しています。また、講義中は、常に過去問の出題傾向から問題を効率的に解答できるような実践的な指導を心掛けています。これは、簿記テストの攻略で重要なポイントが、簿記に関する基礎知識の習得は当然として、問題の解法にあり、この解法を問題に合わせて解説することで単なる簿記知識の伝達の講義ではなく、技術力の伝達の講義にしようと心がけているからです。

簿記=企業等の経営活動を記録・計算・整理し、経営成績と財政状態を明らかにする技術

各級のレベル(商工会議所HPより)

合格水準の目安
3級 業種・職種にかかわらずビジネスパーソンが身に付けておくべき「必須の基本知識」として、多くの企業から評価される資格。 基本的な商業簿記を修得し、小規模企業における企業活動や会計実務を踏まえ、経理関連書類の適切な処理を行うために求められるレベル。
2級 経営管理に役立つ知識として、企業から最も求められる資格の一つ。 高度な商業簿記・工業簿記(原価計算を含む)を修得し、財務諸表の数字から経営内容を把握できるなど、企業活動や会計実務を踏まえ適切な処理や分析を行うために求められるレベル。

3級のカリキュラム

3級の講義内容は、一ヵ月弱で終了するようにカリキュラムを組んでいます。
この級の講義で重点的に学習すべきなのは、簿記全体の流れです。計算問題自体は特に難しくないので、簿記の基本構造を理解した上で、会計期間の開始から決算までの流れを理解できるかがポイントとなります。
その上で、理解困難な個別論点を徐々に潰していくことが、合格への近道になると考えます。
講義回数は下記の14講です。

第1講 簿記の基本原理(その一)
第1講 簿記の基本原理(その二)
第2講 仕訳と帳簿記入
第3講 決算手続と財務諸表
第4講 現金、預金取引
第5講 商品の売買
第6講 売掛金と買掛金
第7講 その他債権、債務
第8講 受取手形、支払手形
第9講 有価証券
第9講 固定資産
第10講 資本金と引出金
第10講 収益と費用
第10講 税金
第11講 伝票記入
第12講 総合問題と精算表
第13、14講 問題の解答方法と過去問の傾向

2級のカリキュラム

2級の講義内容は、2ヵ月弱で終了するようにカリキュラムを組んでいます。
この級の特徴は、出題範囲が商業簿記と工業簿記に分かれていることです。商業簿記は、3級の範囲をさらに広げ、内容も少し深く掘り下げたものとなっており、難易度が高めに設定されています。一方、工業簿記は、2級からの学習範囲となりますが、基本的には費用の振替処理を頻繁に会計処理するだけで、難易度はそれ程高くないと思います。問題は、振替処理をする金額を算定できるかどうか、製造業の原価管理の思考を持てるかどうかです。

1、商業簿記

第1講 現金預金
第1講 有価証券
第2講 債権債務
第2講 手形
第3講 引当金、商品売買
第4講 特殊商品売買
第5講 固定資産取引
第6講 損益取引、株式会社会計
第7講 税金
第8講 決算
第9講 本支店会計
第10講 帳簿組織
第11講 帳簿組織(伝票会計)
第12講 総合問題と精算表

2、工業簿記

第13講 工業簿記の概要(その一)
第14講 工業簿記の概要(その二)
第15講 材料費計算
第16講 労務費計算
第17講 経費計算、製造間接費計算
第18講 部門費計算
第19講 個別原価計算
第20講 総合原価計算
第21講 標準原価計算
第22講 CVP分析
第23講 原価予測の方法
第23講 直接原価計算
第24講 製品勘定記入、営業費計算、独立工場会計
第25講 総合問題